八丈島の方言では「オバビロ」と呼んでいる標準和名「テンジクイサキ」です。
イサキって付いているけどイスズミの仲間。
この魚、波当たりの強い浅場だったらどこでも見られる普通種だけど、あまりにも普通にいてとっても地味なので、いままで一度も見たいというリクエストを頂いたことがありません。
そんなネタにもならない魚でも、面白い生態をしているんですよ。
写真の子の体側を見てください。白い斑点が沢山あるでしょ。
この斑点は真っ白になるかと思えば、一瞬で消えてしまうのです。実は砕ける波が泡立つ時に白い点々を出して、その砕けた白波に同化するのです。
これ鳥に見つからないようにカモフラージュしているんですよ。
どうしてそんなカモフラージュをしてまで砕ける荒波の浅いところに来るかというと、そこには彼らの大好物のハンバノリが生い茂っているからなんです。
時々岩に乗り上げちゃんうじゃないかと思うほど、波打ち際まで来ることも。そんな時は白い点々は真っ白になり、僕は砕ける波なんですってな感じで、ハンバノリをむしゃむしゃ食べているのです。
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