「 2016年02月 」一覧

パラオならではかも

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沖縄と石垣の撮影ツアーのターゲットのひとつだったイロブタイの雄と雌。

しかし沖縄本島では、10m先にいるんだけど、少しでも近づくと姿を消し勝負もさせてくれませんでした。石垣島では、やっぱり10m先にいるんですよね。まぁ沖縄本島よりも少しは近づけたので勝負させてくれたけどドロー・・・。撮れてはいるんだけど図鑑ではちょっと厳しい写真です。

協力者の写真があるので問題ないんですが、やっぱり自分の写真を使いたい。でも使えないものは使えません。

ところが今回パラオに行って驚いたのは、そのイロブダイがたくさんいること。みなさん知ってましたか。

本当に普通種で産卵まで見られちゃいました。もちろん警戒心は強いものの、しっかり勝負をさせてくれる距離に近づかせてくれます。

なので普通に横位置で撮ったって面白くありません。せっかくなので雄同士で縄張り争いしいる瞬間を狙ってみました。

ひれ全開の威嚇する姿。かっこいいですねぇ~。。パラオに行った際は是非見て欲しいブダイです。


衝撃的な出会い

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ちょっと前にベラとブダイの撮影のために、沖縄と石垣島へ撮影の旅に出かけました。

初めてだった沖縄方面の海だったけど、ブダイもベラもお釣りがたくさん出るほどの成果を上げ、満足のいく結果を残すことができたのです。

それでも撮れなかった種類はいます。絶対いるはずだったホクトベラのオスです。沖縄本島では海況の影響でそのポイントに入れずに終わり、石垣島では、いるはずのポイントに入っても姿なしです。

出会わなかったら流石に撮れません。仕方なく、スタッフのしょうたの写真を使うしかないかなと思っていたのです。

ところが今回のパラオツアーで、初日2ダイブ目で予定の種類の撮影が終わり、今回の図鑑の撮影は終了し、残すダイビングは余裕の探索撮影となったのです。

その3本目、どぼん!と入るとすぐにホクトベラのメスが目の前で泳いでました。

まさかオスはいないよねと思った時、そのメスに求愛すオスが現れたのでした。なんとも衝撃的な出会いなんでしょうか。私、もしかして持っている人なのかぁ~と思いながら、撮影したのでした。

写真で見ると、婚姻色ギンギンのかっこいいベラでしょ。でも水中で見た彼は、ただの黒い地味なベラなんですよね。

ギャプがありすぎでホクトベラのオスを見つけ、あとで図鑑で調べてもわからんかも。

まぁそれでも撮れたのでよしとします。


あと2年早かったら

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パラオのシアーズトンネル。

何度も潜っていますが、一度もトンネルに入ったことがありません。

なぜかって言うと、トンネルの入り口を眺めながらその下に行ってしまうからです。

今回もトンネルを眺めながら下へ下へ。ゲストが見たいというオーロラバスレット、カマジハナダイのことですね。

でも水温があまりにも低いのでハナダイ系の姿なし。その代わりアールズフェアリーラスがいっぱいいました。

カメラのギアがゆるんで撮りにくかったけど大小様々なサイズが撮り放題です。するとウミウチワの影に見慣れないベラを発見。

オグロベラの仲間であることは間違いないのですが、何だかわかりません。どこかで見たような・・・。

で、さっそく調べると去年新種記載されたPseudojuloides zeusという種類でした。

こちらね。↓

https://reefbuilders.com/2015/05/31/pseudojuloides-zeus-species-pencil-wrasse-micronesia/

 

1年前にマーシャル諸島とパラオの80m~90mで発見されたんだって。名前がゼウスだって、かっこいい名前ですね。

あと2年早かったら、見つけたのが私になったのに・・・、残念。

でも生態写真は初記録になると思うよ。

 


パラオの深場といえば

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パラオから帰って参りました。

今回のツアーはゲストが少なかったため、ガイドはみいさんに任せ、私は自腹参加で写真撮影となりました。

もちろんベラ・ブダイ図鑑の総仕上げですね。狙うはナポレオンの雄と雌の写真です。簡単すぎて初日の2本目でコンプリート。おまけもいっぱい撮れたしいう事ありません。

余裕もできちゃったし、いつも参加してくれる深場好きのゲストに誘われたので、ちょっと底まで行って来ました。

絶対ここでは書けない水深なので聞かないでください。この水深まで来ると、パラオならではのアールズくんがいます。ゲストはオーロラバスレットが撮りたかったみたいでしたが、水温が低すぎで姿なしでした。

その代わりアールズくんの各ステージがわんさかいたので、小さめの幼魚を撮ってみました。

まぁ相変わらずきれいなベラですね。それと凄いベラも見つけちゃいました。今調べている最中なのでわかったら報告します。

それにしても、このダイビングだけカメラの固定するネジがゆるみ、フォーカスノブのギアが空回りしてしまって、ピントを合わせることができませんでした。

こんな時はハウジングを上に向けてギアをかまし、感でフォーカスを動かしてから置きピンで撮影ということになるんですが、何でまたこの水深でこんなことになるんでしょうかね。

まったくもぉ!!


お絵かきスタートと思ったら

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写真整理と専門家に見てもらう写真をすべて送り、ほっとする暇もなくお絵かきスタートです。

ベラとブダイで大体200種近くあり、オスメス、幼魚と1種当たり最低3枚のイラストが必要なので、少なくとも600枚は描くわけです。

まずはベラの始まりブダイベラからです。

キャンパスはパソコン、筆はマウス、画材はフォトショップです。いちいち筆を洗うこともなく、失敗したらひとつの作業を戻ればよいし、後片付けもなしです。

1枚あたりの作成時間は40分くらいかな。まぁなんと短い時間なんでしょ。

便利な世の中になったものです。

さて頑張ろう!っと思ったら明日から海外ツアーでした。しばらくお休みですね。

では行ってきまーす♪

 


井の中の蛙

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自分のフィールドにこだわる。四季を通してどんな魚がいて、どんな移り変わりをするのかを常に把握することは大切です。

ただあまりにこだわりすぎて、自分のフィールド以外には興味が持てなくなり、気が付くと自分のフィールドにいない魚は知らない種類となってしまうんです。

どんなにそのフィールドで知らない魚はいないと豪語しても、一歩外に出たら、おいおい、知らない魚だらけでびっくりするんだなぁ。で、いかに自分がまだまだ知らないことだらけだということを思いさらされるわけだ。
「井の中の蛙」、よく言ったもんです。だからいろいろな海に潜るのって大切なんですよね。

それと外の海を見ると自分のフィールドを見直すことができます。

自分のフィールドにいない魚たちがたくさん見られるわけで、そんな魚たちを記憶に焼き付けると、あら不思議。自分のフィールドでも見つけちゃうんですよね。

写真はオオモンハゲブダイの幼魚。10年前にタイドプールで撮った写真です。

その当時はブダイの仲間っていうのはわかるのですが、種まではわかりませんでした。

でも去年の終わりに沖縄本島と石垣島でブダイたちの撮影に行き、いろいろなブダイたちを撮りためた今、この写真がオオモンハゲブダイの幼魚であると自信を持って言えちゃうんです。

もちろんこの種、幼魚は解明されてませんが、雌たちを散々追っかけたので、その特徴がちゃんと繋がるんです。

いやぁ~、フィールド以外の海を潜る大切さを身を持って経験できた出来事でした。

さてもうすぐパラオです。またブダイたちを追いかけよっと!!!

 


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shishi_kameraベラとブダイの写真整理に追われて思ったんですが、今度出版する仮称「ベラ・ブダイガイドブック」の表紙は、今整理している写真の中から編集者が、ランダムに抜粋して作ってしまうんですよね。

なのでみんんな横位置の図鑑写真ばかりなんですよ。せっかくの表紙なのに味がないですね。

だったら表紙用に、前回上げたムスメベラや今回のカンムリベラのように、いろいろなベラやブダイの正面写真集にしてしまおうと考えたのです。

で気が付いたんですが、ムスメベラもカンムリベラも右の牙だけが突出しているんですよね。みんなそうなのかな。それともたまたま??

なんか楽しみが増えました。正面写真を撮りながら牙の状態を調べようっと。。

 


あてにならない記憶

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ベラとブダイの写真整理も終盤に差し掛かる。あと少しだね。

で、改めて写真整理をしていると、撮っていたと思っていた種のステージが撮っていなかったとか、あれ幼魚があるはずなんだけどと思ったらなかった、ってことが多々あるんだよね。

記憶なんて本当にあてにならんです。ちょっとびっくりだったのが、ヤマブキベラの雌を撮っていなかった事。

八丈島ではありふれた普通種。婚姻色から幼魚の色彩バリエーションをあり得ないほど大量に撮っているというのに、呆れたもんだです。

写真のムスメベラなんてのもそうだね。幼魚の各ステージから雌のお腹が膨らんだ個体、バリバリの雄の婚姻色を撮っているというのに、通常色の雄を撮っていないんですよ。

こちらもびっくりだ。

でさっそく撮りに行くわけなんですが、いやぁ~、八丈島のムスメベラってやっぱ深いですねぇ~。

久々に圧感じてしまった。気持ちよかったけど。。